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思い

先日、息子を連れて母方の伯母を訪ねました。
伯母の家は、車で40分ほどの場所にあります。

伯母は、67歳という年齢ながら、
今も建設業を営む伯父をサポートし、経理業務などをこなしています。
最近は受発注等にコンピュータシステムが導入されたことから、
私のほうで一部お手伝いをさせていただくことも多く、
ちょうど、その件もあっての訪問でした。

広い玄関、広い部屋、そして長い廊下に、
好奇心いっぱいの息子は、大喜びで歩きまわりました。

その息子を追いかけていたときです。
ある部屋に、子供の勉強机がありました。
いとこのT君の机だと、すぐにわかりました。

いとこは、14歳の時、病気で亡くなっています。
生きていれば、今は43歳。
きっと伯父の後を継いでいたでしょう。

小さな子供だった頃、何度か一緒に遊んだことがあります。
とても利発で活発だけれど、急に具合が悪くなって倒れてしまう。
子供心にも、いつどうなるかわからない、と緊張していたの憶えています。

次に会ったのは中学生の時でした。
いとこは、病院のベッドで、寝たきりになっていました。

伯母は笑顔だったと思います。
長い入院生活の疲れや、もう先が長くないことへの苦しみは、
14歳の私には見えませんでした。

翌日、そのことを友人に話したことから、
自然とクラスの友人達が千羽鶴を折ってくれました。
それを届けたいと母に話した直後、訃報が届きました。

勉強机には、いとこの教科書や文房具がありました。
胸に突き刺さるものがありました。

いつも穏やかで優しい伯母です。
「みんな、私に遠慮しないで。もっと子供や孫の話をしてちょうだい」
ある日、伯母は、姉達や妹である母に、そう言ったそうです。

年が近い私を見れば、思い出すこともあると思います。
家の中をよちよち歩きする息子を見れば、
幼い頃の我が子を思い出すこともあると思います。

そういうものを、どれほどの思いで胸の奥に押しこみ、
穏やかな笑顔を私たちに見せてくれているのか。

やっと捕まえた息子を強く抱きしめながら、
私は、泣かないように気持ちを強く持って、部屋に戻りました。
by misystemM | 2006-04-23 04:14 |  ├人・言葉